○四万十市四万十川の自然と風景を守り育む条例

平成30年3月20日

条例第6号

四万十市四万十川の保全及び振興に関する基本条例(平成17年四万十市条例第146号)の全部を改正する。

目次

前文

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 四万十川の保全及び振興

第1節 基本事項(第6条―第7条)

第2節 水環境の保全(第8条―第10条)

第3節 生態系の保全(第11条)

第4節 環境保全及び美化の推進(第12条)

第5節 四万十川の文化的景観(第13条―第16条)

第6節 振興(第17条)

第7節 その他河川への準用(第18条)

第3章 良好な景観の保全と創出

第1節 景観計画(第19条―第20条)

第2節 行為の制限等(第21条―第29条)

第3節 景観重要建造物及び景観重要樹木(第30条―第35条)

第4章 情報提供及び啓発(第36条―第37条)

第5章 推進体制(第38条―第41条)

第6章 四万十市四万十川風景づくり審議会(第42条―第44条)

第7章 雑則(第45条)

附則

一滴の水をあつめた流れは数百の支流となってやがて大河四万十川となる。

その流れは、幾重にも連なる山々を縫うように走る輝く糸となり、蛇行を繰り返しながらゆったりと地を伝い、私たちのまちを貫く。

海が近づけば雄大な汽水域へとその姿を変え、様々な川の生命を育むゆりかごとして四万十ならではの多様な生物相の礎となり、また人々の営みの根幹を担う。この豊かな自然環境を基盤としながら、川によって山や海とつながれた私たちの暮らしもまた連綿と続き、四万十らしい文化を生み出している。

生業の場、遊びの場、まつりの場、さまざまな場面を川とともに歩んできた。川から季節ごとの食物もたのしみも享受し、自然の怖さも学び、付き合い方の工夫を積み重ね折り合いながら生きてきた。

こうした在り方をごく自然にこなしてきた私たち四万十市民だからこそ、生きている川とともに生きる暮らしの文化を受け継いできている。それが川と暮らしが織りなす四万十川らしい文化的景観である。

また、四万十川と後川に挟まれた低地には、土佐一條氏が百年にわたり公家文化を花咲かせた歴史がある。その文化が色づくまつりや碁盤目状の町割りが今に伝わる。

四万十川を軸とした文化的景観と、一條文化ゆかりの歴史が息づく景観。これらが共存し繋がり合いながら私たちの四万十市らしい多様な景観を生み出しているのである。

私たちの祖先がそうであったように、四万十川とともにある私たちの暮らしの在り方や一條文化ゆかりの歴史への誇りを受け継いでいくことは、四万十市民らしさを守ることと同じことである。

私たち四万十市民は、すべての人々と協力し、四万十ならではの豊かな自然や歴史とともに、これらを基盤とし大切に育まれてきた地域固有の景観を守り育み次世代へつないでいくことを決意し、この条例を定める。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、四万十川における流域市町、市民、事業者等が四万十川保全の共通認識をもって、四万十川の保全及び振興に関する方策を定めるとともに、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)に基づく四万十川流域の風景づくりに必要な事項並びに良好な景観の形成に関し必要な事項を定めることにより、四万十川の恵みを後世に引き継ぐとともに、美しく豊かな自然と風景を守り育てることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 「市民」とは、市内に居住し、通勤し、若しくは通学する者又は土地、建築物若しくは工作物に関する権利を有する者をいう。

(2) 「事業者」とは、市内において事業を行う個人、法人その他の団体をいう。

(3) 「建築物」とは、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。

(4) 「工作物」とは、建築物以外の工作物のうち規則で定めるものをいう。

(5) 「四万十川」とは、本市の区域内の河川法(昭和39年法律第167号)第4条第1項の規定により指定された渡川水系の河川及び同水系に接続する河川、池沼、公共溝きょ、かんがい用水路その他公共の用に供される水路をいう。

(6) 「四万十川の文化的景観」とは、四万十川の特質や地形・地質上の特性の上に、人との歴史、文化、生活・生業、流通・往来が重なり合うことで育まれた四万十川流域独自の景観のことをいう。

(7) 「流域市町」とは、四万十市、四万十町、中土佐町、津野町及び檮原町をいう。

(8) 「他の流域市町」とは、四万十川の集水地域の存する市町のうち流域市町以外のものをいう。

(市の責務)

第3条 市は、四万十川流域の美しく豊かな自然と風景を守り育てるために必要な事項に関する基本的かつ総合的な計画及び施策を策定し、これを実施しなければならない。

(市民の責務)

第4条 市民は、四万十川流域の美しく豊かな自然と風景を守り育てる取組みに関し、理解を深め、自らが風景づくりの主体として努めるとともに、市が実施する計画及び施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、その事業活動によって四万十川流域の美しく豊かな自然と風景を侵害しないよう、自らの責任と負担において必要な措置を講ずるとともに、市が行う計画及び施策に協力するよう努めなければならない。

第2章 四万十川の保全及び振興

第1節 基本事項

(共通認識)

第6条 市は、次に掲げる事項を流域市町相互の共通認識(以下「共通認識」という。)として、行政を推進するものとする。

(1) 水環境、景観及び生態系を将来にわたって適切に維持すること。

(2) すべての生き物の生態が相互につながり、生活、産業その他の人の活動も自然の循環の中で営まれていること。

(3) 人の活動が自然に負荷を与えていることを認識し、人と自然との共生を図ること。

(4) 四万十川の保全及び振興に関し、地域の実情に応じた取組を進めること。

(5) 四万十川の保全及び振興に関し、住民その他関係者の積極的な参加が促進されるよう、必要な情報を提供すること。

(基本理念)

第7条 市は、前条の共通認識にのっとり、高知県(以下「県」という。)及び流域市町と相互に連携して次に掲げる事項が実現されるよう、四万十川の保全及び振興に関し自然的・社会的条件に応じた方策を策定し、実施するものとする。

(1) 四万十川の水量が豊かでかつ清流が保たれていること。

(2) 四万十川に天然の水生動植物が豊富に生息し、又は生育していること。

(3) 四万十川の河岸に天然林が連なり、良好な景観が維持されていること。

(4) 人工林が適正に管理され、天然林とともに多様な森林が形成されていること。

(5) 優れた自然文化景観を有していること。

(6) 人と川との関わりの文化が保たれていること。

(7) 住民の安全かつ快適な生活が保たれていること。

(8) 四万十川が子ども達の遊び場として活用されていること。

(9) 四万十川に負荷を生じさせることなく、地域の社会及び経済が持続的に発展していること。

第2節 水環境の保全

(生活排水対策)

第8条 市は、生活排水による四万十川の水質汚濁負荷の低減を図るため、次に掲げる事項について必要な方策を講ずるよう努めるものとする。

(1) 公共下水道、農業集落排水処理施設、浄化槽その他生活排水浄化施設の整備

(2) 公共下水道及び農業集落排水処理施設からの排出水についての流域市町共通の水質基準の設定

(3) 生活排水浄化施設整備を促進するための情報提供等

(4) 調理くず及び廃食油の適正な処理並びに洗剤の適正な使用等

(産業活動に起因する負荷対策)

第9条 市は、産業活動に伴う四万十川への負荷を軽減するため、次に掲げる措置を講ずるよう努めるものとする。

(1) 産業活動に起因する土壌及び濁水並びに悪臭を伴う排出水の流出防止

(2) 環境保全型農業の促進

(3) 畜産業に従事する者による家畜のふん尿の処理施設の設置、土壌還元その他の方法による適正処理の促進

(4) 良好で持続可能な森林管理の促進

(野外活動等の対策)

第10条 市長は、野外活動等によるごみの散乱及び水質の汚染の防止並びに市民の良好な生活環境の保全を図るため、キャンプ場を指定することができる。

2 市は、前項の規定により指定したキャンプ場の給水施設、排水施設その他の施設の整備に努めるものとする。

3 市は、公共の場所において野外活動を行う者が、四万十川に調理くず、油、洗剤その他四万十川の水質及び景観に支障が生ずるおそれのあるものを排出しないよう、必要な方策を講ずるように努めるものとする。

4 市は、四万十川の川原にみだりに車両が進入することがないよう、必要な方策を講ずるように努めるものとする。

第3節 生態系の保全

(生態系の保全)

第11条 市は、四万十川にふさわしい生態系を保全するため、必要な方策を講ずるように努めるものとする。

第4節 環境保全及び美化の推進

(環境保全及び美化の推進)

第12条 市は、市民、事業者又は旅行者の行為によって、自然景観及び文化的景観の保全上支障が生じないよう、物の集積又は貯蔵、自動販売機及び照明設備の設置、騒音防止への配慮その他の行為が適正に行われるために必要な方策を講ずるように努めるものとする。

2 市は、農用地、森林その他の土地の適切な管理に基づき農林水産業が維持され、育まれてきた文化的景観の保全上支障が生じないよう、耕作放棄地の発生防止、放任人工林の整備その他の必要な方策を講ずるように努めるものとする。

3 市は、市民、事業者及び旅行者が公共の場所において、飲食料の容器、たばこの吸い殻その他のごみ又はふん尿をみだりに捨て、散乱させ、又は放置しないよう、必要な方策を講ずるものとする。

第5節 四万十川の文化的景観

(人と川との関わりの文化的景観)

第13条 市は、四万十川を軸に営まれてきた人と川との関わりの文化的景観を保全及び継承するため、必要な方策を講ずるように努めるものとする。

(調査及び公表)

第14条 市は、四万十川の保全及び振興並びに四万十川の文化的景観の継承のために必要な調査等を行うことができる。

2 市長は、四万十川の保全及び振興並びに四万十川の文化的景観の継承のために講ずる方策及び講じた方策並びに指標その他これらに関する事項を毎年1回、市の広報紙等において公表するものとする。

(支援)

第15条 市は、四万十川の保全及び振興に取り組む住民及び住民団体の自主的活動を助長するとともに、これらの育成支援を行うため、必要な方策を講ずるように努めるものとする。

(四万十川風景醸成員)

第16条 市長は、人と川との関わりに関する四万十川の文化的景観を継承し、四万十川の保全及び振興に資するために、四万十川風景醸成員を置くことができる。

2 四万十川風景醸成員は、四万十川の保全及び振興に関する市の施策への協力その他の活動を推進するものとする。

第6節 振興

(振興)

第17条 市は、四万十川に負荷を与えないような振興を図るものとし、かつ流域市町が相互に連携した振興方策の推進のため、必要な措置を講ずるものとする。

2 市は、必要に応じて流域市町と連携して、四万十川の水産業の持続的な発展に努めるものとする。

第7節 その他河川への準用

(渡川水系以外の河川等への適用)

第18条 第8条から第15条までの規定は、第2条第5号の規定にかかわらず、本市の区域内の渡川水系以外の河川等についても適用する。

第3章 良好な景観の保全と創出

第1節 景観計画

(景観計画の策定)

第19条 市は、四万十川流域の自然、歴史、文化等と人々の生活、経済活動等との調和のもと、自然と共生し発展するまちづくりのために景観計画(法第8条第1項に規定する景観計画をいう。以下同じ。)を策定するものとする。

2 市長は、景観計画を定めようとするときは、法第9条の規定に定める手続きのほか、あらかじめ第42条に規定する四万十市四万十川風景づくり審議会(同条を除き、以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

3 前項の規定は、景観計画の変更について準用する。

(景観計画との適合)

第20条 景観計画区域内において法第16条第1項各号に掲げる行為をしようとする者は、当該行為を景観計画に適合させなければならない。

第2節 行為の制限等

(届出対象行為)

第21条 法第16条第1項の規定による届出の対象となる行為(同項第4号の規定により条例で定める行為を含む。)は、次に掲げる行為とする。

(1) 建築物の新築、増築、改築若しくは移転、撤去又は外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更

(2) 工作物の新設、増築、改築若しくは移転、撤去又は外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更

(3) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第12項に規定する開発行為

(4) 土地の開墾、土石の採取、鉱物の掘採その他の土地の形質の変更

(5) 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。)、再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。)その他の物件の堆積

(6) 木竹の植栽又は伐採

(7) 広告物(屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項に規定する屋外広告物及びこれに類するもので屋内から屋外の公衆に向けて表示されるものをいう。)その他これらに類する物の設置及び外観の変更

(8) 夜間において公衆の観覧に供するため、一定の期間継続して建築物その他の工作物又は物件(屋外にあるものに限る。)の外観について行う照明

(公共事業における景観配慮)

第22条 国の機関又は地方公共団体が行う行為については、前条各号の規定に関し、法第16条第1項に基づく届出をすることを要しない。この場合において、当該国の機関又は地方公共団体は、同項の届出を要する行為をしようとするときは、あらかじめ、法第16条第5項に基づき市長にその旨を通知しなければならない。

2 市長は、前項後段の通知があった場合において、良好な景観の形成のため、その必要な限度において、当該国の機関又は地方公共団体に対し、景観計画に定められた当該行為についての制限に適合するようとるべき措置について協議を求める。

(届出の適用除外)

第23条 法第16条第7項第11号に規定する条例で定める行為は、良好な景観の形成に支障を及ぼすおそれがない行為として規則で定める行為とする。

(特定届出対象行為)

第24条 法第17条第1項に規定する条例で定める行為は、法第16条第1項第1号及び第2号に掲げる行為で規定に基づき届出を要する行為の全てとする。

(事前協議)

第25条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出を行おうとする者は、あらかじめ市長と協議することができる。

(行為の中止又は完了の届出)

第26条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為を中止し、又は完了したときは、市長にその旨を届け出なければならない。

(助言又は指導)

第27条 市長は、法第16条第1項又は第2項の規定による届出があった場合において、当該届出に係る行為が景観計画に適合しないものであると認めるときは、当該行為をした者に対し、必要な措置を講ずるよう助言し、又は指導することができる。

(勧告又は変更命令等に係る手続き)

第28条 市長は、法第16条第3項の規定による勧告、法第17条第1項若しくは第5項の規定による命令又は前条の助言又は指導を行う場合において必要があると認めるときは、審議会の意見を聴くことができる。

(公表)

第29条 市長は、法第16条第3項の規定による勧告若しくは法第17条第1項の規定による変更命令等を受けた者が正当な理由なくこれに従わないときは、規則で定めるところにより当該勧告若しくは変更命令等を受けた者の氏名等を公表することができる。

2 市長は、前項の規定による公表を行おうとするときは、当該勧告若しくは変更命令等を受けた者に対して、あらかじめその旨を通知し、意見を述べる機会を与えるものとする。

第3節 景観重要建造物及び景観重要樹木

(景観重要建造物の指定等)

第30条 市長は、法第19条第1項の規定により景観重要建造物を指定しようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

2 市長は、景観重要建造物を指定したときは、その旨を告示するものとする。

3 前2項の規定は、景観重要建造物の解除について準用する。

(景観重要建造物の管理の方法の基準)

第31条 法第25条第2項の条例で定める景観重要建造物の管理の方法の基準は、次に掲げるとおりとする。

(1) 景観重要建造物の管理上必要な修繕及び営繕は、速やかに行うこと。

(2) 景観重要建造物に消火器の設置その他の防災上の措置を講ずること。

(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要建造物の良好な景観の保全のために必要と認める措置を講ずること。

(景観重要樹木の指定等)

第32条 市長は、法第28条第1項の規定により景観重要樹木を指定しようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

2 市長は、景観重要樹木を指定したときは、その旨を告示するものとする。

3 前2項の規定は、景観重要樹木の解除について準用する。

(景観重要樹木の管理の方法の基準)

第33条 法第33条第2項の条例で定める景観重要樹木の管理の方法の基準は、次に掲げるとおりとする。

(1) 景観重要樹木の滅失、枯死等を防ぐため、病害虫の予防、駆除等の措置を講ずること。

(2) 景観重要樹木の良好な景観を保全するため、せん定等の管理を行うこと。

(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要樹木の良好な景観の保全のために必要と認める措置を講ずること。

(原状回復命令等の手続き)

第34条 市長は、法第23条第1項(法第32条第1項において準用する場合を含む。)の規定により景観重要建造物又は景観重要樹木(以下「景観重要建造物等」という。)の原状回復又はこれに代わるべき必要な措置をとるべき旨を命じようするときは、あらかじめ審議会の意見を聴くことができる。

(管理に関する命令及び勧告の手続)

第35条 市長は、法第26条又は法第34条の規定により景観重要建造物等の管理に関し必要な措置をとることを命じ、又は勧告しようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴くことができる。

第4章 情報提供及び啓発

(情報提供)

第36条 市は、四万十川の保全及び振興並びに四万十川の文化的景観の継承に関し、流域市町と相互に連携し、市民及び関係団体が、各課題の解決に取り組むために必要な情報を適切に提供するものとする。

(環境学習及び意識啓発)

第37条 市は、四万十川に関する環境学習の推進のため、必要な方策を講ずるように努めるものとする。

2 市は、市民の行う環境学習に対して支援を求められた場合は、必要な支援を行うものとする。

3 市は、市民及び事業者が、四万十川の文化的景観及び風景づくりに関する情報を交換し、学習し、又は体験する機会の確保その他意識啓発のために必要な施策を実施するものとする。

第5章 推進体制

(関係機関との連携等)

第38条 市は、四万十川の文化的景観及び風景づくりに関する方策について、国、県及び流域市町と連携して推進するように努めるとともに、必要な協力を要請するものとする。

(流域間の連携等)

第39条 市は、流域市町が相互に協力して第7条に掲げる事項を実現するため、次に掲げる基本方策の実施のほか、その他の方策との有機的な連携を図りつつ、四万十川の保全及び振興並びに四万十川の文化的景観の継承に関する方策を総合的に推進するものとする。

(1) この条例に基づく方策の効果的な推進を図るため、流域市町相互間における連絡調整を行うものとし、このために必要な組織を構成すること。

(2) この条例に基づく方策の成果を把握するための指標(以下「指標」という。)を流域市町相互間において連絡調整のうえ定め、一定の期間ごとにその達成度を調査及び分析し、方策の必要な改善及び実施に努めること。

(他の流域市町との連携等)

第40条 市は、四万十川の保全及び振興に関する方策について、他の流域市町と連携して推進するように努め、必要な協力を要請するとともに、これらの市町との間で流域の一体感を醸成するよう努めるものとする。

(財政措置)

第41条 市は、この条例の目的を達成するため、四万十川の保全及び振興に関する取組をはじめとした四万十川の文化的景観及び風景づくりを恒常的に実施するための財源の安定的確保に努めるものとする。

第6章 四万十市四万十川風景づくり審議会

(設置)

第42条 市長は、四万十川の保全及び振興並びに風景づくりに関する基本的事項及び重要事項を審議するため、四万十市四万十川風景づくり審議会を置く。

(所掌事務)

第43条 審議会は、市長の諮問に応じて、次に掲げる事項について調査審議し、市長に答申するとともに、必要な意見を述べることができる。

(1) 四万十川の保全及び振興に関する重要事項

(2) 景観計画の策定等この条例に規定する事項

(3) その他四万十川の自然と風景を守り育むために必要な事項

(組織及び運営)

第44条 審議会は、委員20人以内で組織する。

2 委員は、次の各号に掲げる者の中から市長が委嘱する。

(1) 市民

(2) 第38条において関係する行政機関の職員

(3) 公共的団体の役員

(4) 学識経験者

(5) その他市長が必要と認めたもの

3 この章に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は規則で定める。

第7章 雑則

(委任)

第45条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成30年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例による改正前の四万十市四万十川の保全及び振興に関する基本条例(以下「旧条例」という。)第25条の規定により置かれた四万十市四万十川環境審議会(以下「旧審議会」という。)は、この条例の施行の際第42条の規定により置かれた四万十市四万十川風景づくり審議会(以下「新審議会」という。)となり、同一性をもって存続するものとする。

3 この条例の施行の際現に旧審議会の委員である者は、施行日に新審議会の委員に委嘱されたものとみなす。この場合において、その委嘱されたものとみなされる者の任期は、施行日における旧審議会の委員としての任期の残任期間と同一の期間とする。

4 この条例の施行前に旧条例の規定によってした処分、手続その他の行為であって、この条例に相当規定があるものは、これらの規定によってした処分、手続その他の行為とみなす。

5 この条例による改正後の四万十市四万十川の自然と風景を守り育む条例の規定は、この条例の施行日以後に行われる行為について適用し、同日前に行われる行為については、なお従前の例による。

四万十市四万十川の自然と風景を守り育む条例

平成30年3月20日 条例第6号

(平成30年4月1日施行)

体系情報
第9編 生/第5章 環境保全
沿革情報
平成30年3月20日 条例第6号